桃が人間のおしりの形をしているのはどうして?

桃がお尻の形をしていると言われていますが、実際の桃を見ると全体的に丸く、少しだけくぼんでいるだけであまりお尻という感じの印象は受けません。
写真などで様々な品種を見ても丸くてふっくらしているものが美味しい桃として紹介されています。
しかし桃の絵などはお尻の形がしたものが多いのも確かです。
この意味は古来の桃の形にあります。
元々、桃は中国産で「天津」という品種のものが桃の原種と言われています。
実際にこの桃の形がお尻っぽいのです。
ただし酸味が強く甘みがあまりないことからどんどんと品種改良されていき、形も変わっていったのです。
今では美味しい桃はお尻の形の桃ではなく、丸い形が主になっています。
しかし何故お尻の形というイメージが強いのかといえば、古来からの物語「桃太郎」にあるのではないかと言われています。
日本人は桃太郎の昔話を当たり前のように聞かされて育ち、絵本も読みます。
その時の絵が昔ながらの桃の形のために、その印象のままに成長します。
桃の絵を書いて下さいと言われた時、簡潔に描く場合には大体がお尻の形の桃を描きます。
ちなみに本格的な画家が果物を見て描いた絵でお尻の形をしたものを見かけることはありません。
実際に置かれた桃はくぼんだ面を下にして丸い形をしているからです。
また諸説によると、桃太郎のおばあさんが川に洗濯に行った時に妊婦が現れ、桃太郎を産んだと解釈もあります。
その女性のお尻を桃に例えたとも言われていますし、本来桃は高貴さや神秘性を表し、桃から生まれたというのはただの人の子供ではなく高貴な人、神の子供である事をも表しているとされています。
他には流れてきた桃を食べてお爺さんとお婆さんが若返り、桃太郎を産んだという説もあります。
桃が不老長寿の妙薬であるという説が強い話です。
さすがにお伽話としては伝わっておらず、桃から生まれたことになっていますが、その時の絵は必ず昔ながらのお尻の形をした桃です。
その印象の強さから桃がお尻の形と考えられているようです。